布団から

考えていることの記録です。

「選挙に行こうよ」って言えない

グッドムービークラブという名前で、仲間と映画の上映をやったりzineを作ったりネットラジオpodcast)を配信したりしています。

 

podcastの概要欄に書こうと思って準備した文章なのだけど、なんかエラーが出てしまって、(長すぎなのだろうか、原因不明!)全文を載せられなかったので、もうブログにしよ〜と思って追記したものを、ここに記録として置いておきます。

 

ラジオはここから聞けます。

https://note.com/goodmovieclub/n/n8261221bbffa



私たちは(狭義での)政治活動の団体ではなくて、映画が好きな仲間同士で、映画上映などなどの活動をしているチームです。

ラジオについては、日本の政治への理解度や、親の思想、選挙の経験などはバラバラなので、そのへんも面白がってもらえたらと思います。特定の候補者への投票を強く促すような発言は誰もしていないし、「政治がわからない」ことへの批判も特にしていないから、安心して聞いてね。

 

色んな人がそれぞれの事情をもって色んな生活をしている中で、社会のことを考えたり、どの政治家がどんな発言をしていてというようなことを追うことに使える時間はそれぞれ異なると思います。興味の方向や政治に何かを求める切実さはそれぞれ違うし、政府や社会制度に対する考え方もそれぞれであって良いと思っています。

 

みんなが自分と同じくらい政治について考えれば良いのに、とは決して思わないです。

 

そりゃ、民主主義は多数決で色々なことが決まるから、大多数の人が私と意見を同じくすれば私自身の理想と考える形に近い社会になっていくのかなあ、とは思うけれど、私が理想としている社会は色んな人が色んな考えを持っていてそれがバラバラでもそのまま許される社会なので、全員が自分と同じになれ!とは絶対に思いません。社会から誰かを排除するような考え方(人種差別とか)はまじでちょっと理解できねーぜとは思っていますが。人の存在を許せないってどういうことなんだろうね。

 

私は、一般に「リベラル」と呼ばれる考え方をしていて、20投票率3割ということを考えると、比較的関心が高い方だと自認していますが、自分と似ていない人ともなるべくたくさん話したいし、話を聞きたいと思っています。自分とは異なった政治思想を持っている友人もいるし。

"自分は「リベラル」だから" こちらの意見に賛成とか、この人を/政党を支持すると決めることはなくて、ひとつひとつのイシューについてその時々の自分の価値観に照らして考えるから、自分の中にもグラデーションがある。政治についてめちゃくちゃ考えている時もあるし、もうめんどいから誰かいい感じにしてくれよ!!と思う時もあるし。

 

何が書きたかったのか分からなくなってきましたが、本題。

今は誰かに対して「選挙いこーね」とも言いたくないなという気持ちでいます。ということをここに書き残しておきたい。
もし、今まで選挙に行ってなかった誰かが、自分たちの話を聞いて、あ、選挙いこ〜って思ってもらえたらそれは一つ嬉しいことだなとは思う。
でも選挙って誰かに強く言われて行くものでもないよなとも思う。

政治に関心がなかったけど、色々見聞きして大事だなと思ったから選挙に行くようになりました、とか、政治について考えてないことがダサい感じがしてきて、いっちょ勉強して行きますか!と思うようになった、それは素晴らしいなと思う。

でも「選挙に行かないのは全然ダメなやつ」みたいな同調圧力が膨らんでいくのには大きな引っ掛かりを感じます。行けない人=無関心ではないし、関心があってもまだ勉強追いついてないんだよね、自分の考えを候補者選びに落とし込むにはどうしたらいいかわからないからとりあえずサッと考えて(もしくは何も考えず)投票だけは行きますという人だっているでしょ。(自分がそうだったですよ)
そういう状態の人がストレスや焦りみたいなものだけをどんどん抱えていくのは果たしてヘルシーなのか?

 

そもそも、20代の投票率が低いの理由は、そもそも政治への「関心が低い」からだけなのでしょうか。政治的な話や、政治思想について誰かと話す時/話している人を見た時に、ちょっと嫌な経験をしたりしている人多いんじゃなかろうかね。
「若者は政治に関心がない」という前提で話してくる年長者の人とぶつかるとうんざりする。うるせーよ、お前に言われなくてもこちとら一生懸命考えてんだよ。「若者は選挙行きなさい」って言う前に、普段政治のこととかって考える時間ある〜?って聞いてみて欲しいです。自分の話聞いて欲しかったら、まず相手の話を聞いてくれ。

 

https://qjweb.jp/journal/27574/2/

*この記事、筆者の古田さんは、とりあえず自分がこうします、ということを宣言していたからいいな〜と思った。
引用されている「トーンズ・アンド・アイのミュージックビデオに出てくるキッズたちが掲げるメッセージ」

WAKE UP 目を覚ませ
ACT NOW 今すぐ行動しろ
IF NOT NOW, THEN WHEN? もし今じゃないとしたら、いつ動くんだ?

強靭過ぎてビビっていますが。

 

政治や福祉は命に直結している。だから、政治のこと真剣に考えようよ!って言う人の気持ちもとてもわかる。

自分も病気を持っていたり、働くのが下手なのでわりかし貧困とかに悩んでいるな〜とは思うけど、幸いバイトができていて、日本国籍があって、住民票もあって、色々な福祉制度や知識にアクセスできているから、だから「選挙いこうよ」って言いたくないとか、こういう風に書けるのは呑気だということは自覚しています。

 

もっと厳しい環境におかれてしまっている人もいる。社会の構成員である以上、自分にも、その過酷な環境をそうであるように許してしまっている責任の一端はあると思う。

 

だから、こういう内容のラジオは配信するし、ブログも書くし、自分は選挙いくし、選挙行ったよ~という話もする。

それでも、「選挙いこうよ」ってあまり自分は言えないなっていう気持ちはまだ消えません。(いこうよ、と言う人のことを否定しているわけではないし、本当に色々な活動している人、発信している人に対して私は感謝も尊敬もしています。だから自分も「発信」をこんな形だけどしています。)

 

私がムカついている?のは、「選挙にいこうよ」と言う人に対してではなくて、何か一つのことをみんなが考えなくちゃいけないような雰囲気とか、誰かを排除するような空気とかに対してです。普段の自分の物言いは割とはっきりしている方だし、高校の卒業アルバムの寄せ書きには「りんちゃんのこと怖いと思っていたけど」っていう枕詞が並んだような人間だから(自覚がなかったからすごくショックだった)、本当に敏感になっている。



とりあえずみんなサクッと投票したり、特に気負いなく政治の話してゲラゲラ笑ったりする感じになればいいな〜って思ってるぜ〜。